校舎の生まれ変わり
母校を買う、と家族に言った日

千田小学校が閉校したのは2017年3月。明治7年の創立から143年、7,300名以上を送り出した校舎は、そこで静かになりました。
閉校の年、卒業生がグラウンドの脇に看板を立てています。「143年間 今までありがとう 大好きな千田小」。平成27年度卒業生、と小さく書かれています。
その校舎が、2024年にYAMAGA BASEとして開きました。間に7年あります。何があったのかを、順番に辿ります。
2021年、17年ぶりに熊本へ
代表の中原は、進学と就職で熊本を離れていました。戻ったのは2021年、コロナがきっかけです。
母校の前を通る機会が増えました。子どもの頃に駆け回った廊下も、桜が見えた教室も、運動会の声でいっぱいだった校庭も、もう静かになっていました。
「もったいないな」とだけ、ぼんやり思っていました。何かをしようなんて、考えてもいませんでした。
「母校の小学校を買う」
ある日、ふと母校のことを考えた。本人はそう言います。それだけの思いつきが、頭の隅から離れなくなりました。
家族に打ち明けたときのことは、動画で本人が話しています。母と祖母がどう答えたかも、そこに入っています。
2023年7月、譲り受ける
廃校は、思いついた人が買えるものではありません。公募があり、提案があり、議会の承認があります。
2023年7月、その手続きを経て校舎を譲り受けました。
2023年9月、最後の学校開放日
工事を始める前に、卒業生と地域の方を招いて校内を開放しました。「学校じゃない〝何か〟に変わる」前の姿を、みんなで見て回った日です。
この日を挟んでいるのは、順番として大事だったと思っています。壊す前に、見てもらう。先に工事を始めていたら、この時間は二度と取れませんでした。
2024年、YAMAGA BASE として
改修を終えて、校舎は30,000㎡の施設として開きました。働く人、泊まる人、走り回る子ども、ふらっと立ち寄る人。目的の違う人が同じ校舎の中にいる、という状態を作りたかったからです。
完璧な計画があったわけではありません。いまも、伸びしろだらけです。